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今さら聞けない「SDGs」 カーボンニュートラルに繋がるゴールと企業に対応が求められる理由
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今世界各国では、温室効果ガス排出量削減、脱炭素化をはじめ地球環境に配慮した取り組みへの意識が急速に高まっています。
このような社会情勢にあって、企業に環境活動の情報公開を促す活動で注目されているのが「CDP」です。
この記事では、CDPの概要とメリットなどをお伝えしていきます。
脱炭素についてもっと詳しく知りたい方はこちら
>脱炭素とは?脱炭素社会実現に向けての取り組みを交えて解説します!
CDPとは、気候変動等の環境への取り組みに関する情報開示を企業等の各種団体に求める活動を行っている国際NGOです。
2000年に設立された「カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト」と呼ばれるプロジェクトが前身となっています。
設立以来、企業へ温室効果ガス排出量の計測や管理、開示、削減を働きかけている組織で、気候変動以外にも水質汚染や森林伐採など国際的な環境課題に焦点をあてて活動しています。
年に一度、上記のような環境に関する質問書を対象企業に送付し、回答内容をもとにスコアリングを行い、その結果を公表します。
日本での活動は2005年からスタートしました。
続いてCDPのプログラムを見ていきましょう。
「CDP 気候変動レポート」とは、最も歴史のあるCDPの調査プログラムです。名称どおり、企業等の気候変動リスクにかかわる調査・情報公開プログラムで、気候変動の課題に対しての各企業の取り組みや戦略を評価し公開しています。
「CDP 水セキュリティレポート」とは、水にかかわるリスクを調査・情報公開しているプログラムです。
2009年に開始されたプログラムで、2010年に調査がスタートしました。
企業の取水量、総排出量などが集計されているほか水に関する目標・ガバナンス・事業計画等の質問項目が設定されており、水質環境に関する情報を把握する際に役立てられています。
「CDP フォレストレポート」とは、森林保全のための企業の取り組みや、森林減少が企業自身にどのような影響を及ぼすと認識しているかなどを調査し、各企業の森林への対応を評価するプログラムです。
もともとはGlobal Canopy Programという別のNGOが2009年に実施していましたが、2013年よりCDPに統合されました。
「CDP サプライチェーンレポート」とは、サプライチェーンを対象に行っている調査プログラムで、2007年に開始しました。
サプライチェーンとは、原料調達~廃棄の一連の流れのことをいいます。
サプライチェーンレポートでは、対象企業のサプライヤーに対して情報開示を促しています。このレポートを通して、気候変動、水セキュリティ、フォレストに関するサプライチェーンの影響についての考察が行われます。
「CDPシティ」とは、自治体に向けて環境対策についての質問書を送付し、回答を評価します。
質問書には、気候変動ハザードや自治体の温室効果ガスの排出量、それらへの対策についての項目があります。
2020年に日本では東京都、横浜市が回答しています。
「CDP ノンディスクロージャーキャンペーン」とは、CDPの活動に賛同した機関投資家(CDP署名機関)が前年度回答していない企業へ情報開示するように働きかけを行うことをいいます。
環境問題への意識が高まる中で、CDPの質問書に回答する企業は年々増加しているものの、CDPの活用メリットを見いだせていない企業もまだ多いのが現状です。
キャンペーンでメリットを伝えることで、情報開示する企業数を増やし、質の高い情報がさらに公開されていくことを目指しています。
以上がCDPの活動内容です。上記の1~5のレポートについては、CDPから調査対象企業・自治体へ質問書が送付され企業が回答し、それをCDPが評価・公開するという流れで進みます。
CDPは各企業へ質問書を送付しその回答を得ることで、企業の環境活動を世の中に見えやすくする活動をしていることをご紹介しました。 では、企業の側は、CDPの質問書に回答することでどのようなメリットを受けることができるのでしょうか。
世界最大規模で情報を収集しているCDPの質問書に回答し環境への取り組み情報を開示すれば、ESG投資を行う投資家に注目されやすくなり、事業資金を調達しやすくなります。
ESG投資とは、環境(Environment)・社会(Social)・ガバナンス(Governance)に配慮した企業を投資家が投資先として選ぶことをいいます。
企業の持続可能性を評価すべきという考えとともにESG投資は拡がりを見せており、たとえば世界最大規模の資金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)はその全資金186兆円において、ESGを考慮して運用すると宣言しています。
世界の投資資金がESG投資に流入しているなか、CDPはESG評価機関として投資家から信頼を得ており、CDPに賛同する世界の投資機関は590以上、その運用資産総額は110兆米ドル(日本円で約1京2700兆円)に上ります。また、CDPの質問書に回答する企業も年々増えており、その数は世界で13,000社を超えています。
CDPで高評価を得ることは、ESGを考慮して投資を行う投資家・投資機関からの資金を集めるために重要性を増しています。
CDPから高い評価を受けることができた場合、その評価を自社のWebサイト等で公開することで、環境意識の高い企業であるというブランディングを行うことができます。
回答企業はCDPのHPに記載され、積極的な情報開示を行う企業として認識されることとなります。
逆に、脱炭素化が世界的な潮流である今、CDPの活動に対し消極的な姿勢を示すことはリスクであるとも言えるかもしれません。
本記事では、CDPの概要やメリットについて解説をいたしました。
実際にCDPへの回答を検討している企業の皆さまに向けて、スコアリングや評価基準等についてより詳細に解説した記事もご用意しております。
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